HOMESERVICE > Medical Design


医療施設の計画は、医療そのものの考え方や、
医療設備機器の進歩などにより大きく左右されます。

特に近年、EBM(明確な根拠に基づく医療)の考え方は
従来の清潔・不潔の概念を大きく変えるもので、手術部門などで、
思い込みや憶測に基づく従来の清潔・不潔の概念による空間分離が
否定され、新たな計画が提案されつつあります。
またウォッシャー・ディスインフェクターやプラズマ滅菌装置などの
新兵器は、洗浄滅菌部門の有りようを、計画の上でも、
人員配置・建築設備の点からも大きく変えました。

産婦人科では、分娩に対する社会のとらえ方が大きく変り、立会い分娩が常態化しました。
これは分娩室の個室化を意味し、またLDR(同一の部屋での陣痛・分娩・回復)の動きとあいまって、
大きな計画の変化をもたらしています。

福祉施設においても、高齢者施設での個室ユニットケアへの変化、
保育施設での待機児童対策による定員見直しへの計画上の対応など、新たな提案が求められています。
学会や専門誌からの最新情報の入手につとめ、計画への反映のあり方を常に考える態度が、
計画者には強く求められています。


    Q1.医療施設はなぜ難しいのですか?

     ●多くの職種から成り立つ組織です。
      そして業務内容のすべてを知っている人はいないのです。
      また同じ職種でも、幹部の人と現場の人では意見が異なります。
      打合せの各段階で計画の修正が必須となります。

     ●多くの医療行為や医療器具についての知識が計画者にも求められます。
      その知識が部屋の配置、広さ、照明、空調などに反映されねばなりません。

     ●IT化が急速に進行しています。計画的には、サーバー室が必要になり
      カルテ庫が不要になるなど影響は大きく、将来に渡る対応が求められます。


    Q2.医療施設計画の経験の差はどこに現れるのでしょうか?

     ●多くの場合、業務や見学を通じて、ドクターよりも多くの医療施設について体験しています。
      従って多くの事例をすべて情報として開示し、評価を受けることができます。

     ●「成長と変化」は医療施設計画の大前提です。
      患者の増減や日進月歩の医療など、将来の変化に対応できる提案が期待できます。

     ●患者の立場からの計画は計画者として想像しやすく、比較的簡単です。
      その結果ホテルのような、しかしストレッチャーの侵入出来ない病室、
      倉庫と見まがう手術室など、使いにくい建物になりがちです。
      患者の視線、スタッフの視線、管理者の視線、これらのバランスが求められます。

     ●医療は労働集約産業です。しかし業務の流れの理解や、適切なメカの導入などにより、
      安全を確保しつつ、人を一人でも減らせるような計画を提案します。


    Q3.医療施設計画のスケジュールは?



       市場調査、建築に関わる法規チェックが必要です。
       このあたりからお手伝いするケースもあります。




       医療施設としての特徴、差別化をどこで図る?
       建物は次の代まで続くものにする?
       将来予想される変化とは、何がどんな形で起こりうるか?
       予算は? 医療コンサルタントは付くのか?
       …………




       一番大事な過程です。機能を満たす平面、満足のいくデザインの立面、
       多くの種類から選ぶ建築材料、これらを予算とにらみ合わせながら決めていきます。
       この時点で建築を所轄する消防や建築審査課のほか、
       医療を所轄する医務課や保健所などの諸官庁と事前の打合せを行います




       工事のために必要な詳細な図面を作成します。
       この段階で、作り付けの家具や建具の種類、サイン計画、照明やコンセント、
       院内LANやBGM、空調、医療ガス、給排水、といった、
       建築の詳細と各種の設備について決めていきます。
       医療機器でシールドの必要なもの、電気容量の大きなもの、給排水の必要なものなどは、
       この時点で決定していただきたいと思います。
       基本設計ともどもスタッフを交えての定期的な会議が必要となります。




       都市計画法、駐車場法、宅地造成法など、地域により建築確認申請提出以前に
       クリアすべき法律や条令があり、数週間を費やす場合があります。
       そして建築確認申請は許可を得るまでに、昨今4〜6ヶ月の期間を要します。
       特に建物の構造に対する変更は多くの場合申請の出し直しを言われます。
       工事費削減のための計画変更は確認申請提出前に行うべきです。
       従って、確認申請は工事内容が確定してからの提出としたいと思います。




       競争入札などで選ばれた業者さんと、更に積算書や図面を検討し工事金額を決定し、
       工事契約を結びます。その後工事が始まり図面どおりに工事がなされているかを
       チェックする工事監理が始まります。
       定例の現場会議が開催され、工程説明や決定事項の確認が行われます。
       この段階で色彩や、ドアノブなど細かい物を決め、微細な変更に対応します。
       工事中の大きな計画変更は確認申請の出し直しになると判断されることもあり、
       是非とも避けるべきです。
       引渡しも間近かになると、諸官庁の竣工検査の他、
       クライアントの要求を満たした建築になっているか、設計事務所としての検査を行います。
       諸官庁からの許可がおり、設計事務所の指摘事項がクリアされれば、
       関連する図面・図書・リストを添えて引渡しとなります。




       引渡し後の定期点検を1年後に行います。また2年後にも行うケースもあり、
       コストとのからみもあるので打合せながら決めております。
       医療施設では竣工後の微細な改装や修繕が付きまといます。
       また法的に定められた各種の定期検査・報告があります。
       このあたりについてもお手伝いをいたします



 
 

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