ナースステーション(NS)にナースコールの親機が設置されるのは一般的である。
以前は、ほかに分娩室、手術室、仮眠室など、ナースの立ち回り先に副親機を設け、 NSが無人となる場合に備えたが、病棟などに出向いたナースには ナースコールで呼ばれても分かりようがなかった。
ナースコールを無線で飛ばせば、ナースがどこにいようと捉まえる事ができる。
ポケベル式の物もあるが、電話式の方が応答ができてよい。
小出力のPHSなので医療機器に対する影響も無視できる。
ただし手術室などハンズフリーが求められるような所では副親機も未だに有効である。
トイレや分娩台でのナースコールは、大病院では通常アラームの通報のみとする場合でも、 クリニックでは応答式とする方がよい。
誤って作動させた場合、応答ができることでナースが出向かなくてもすむ。
クリニックの計画では将来の増床を予定するケースが多い。
従来は20局単位の局数がいっぱいになると、それ以上増局するには親機の交換が必要となり、 コスト上の問題が生じた。
新しいデジタルペア線方式の場合ボードの増設だけですむため、増床に対応しやすい。
患者や付き添いの中には、ナースコールを使わず直接NSに出向く人もいる。
NSが無人の場合連絡が取れないことの無いよう、NSの受付付近にナースコールの子機を インターホンのように壁付けにして、ナースの持つPHSの携帯親機と連絡が取れるようにすると便利。
外部からの電話もインターホンも、多くの場合ナースコールのPHSでの応答が可能となる。
NSを安心して不在にできる機能なので、是非組み込みたい。メーカーとしっかり相談。
同時に大勢の胎児の心拍数・胎動・陣痛などのデータを、 NSや院長室、当直室などでモニターできる安心のシステム。
配線の本数はかなり多くなるので、 新築の場合は当面導入の予定がなくても空配管は太い目でしておきたい。
血圧や、心電図の無線モニタリングのための配管も将来に備えて設置することが多い。
夜はほぼ女性ばかりとなるのが産婦人科。防犯には充分注意したい。
写真は玄関ドアの電気錠スイッチ、玄関内外のモニターTV、 玄関とのインターホン、契約したセキュリティシステムの解除・ 設定パネルを扱いが便利なようにNS内で一つのコーナーにまとめた例。
<写真>玄関内外のテレビモニター(自動切替式)
その左にセキュリテイ解除・設定パネル、
更に左に玄関電気錠スイッチ、左端の黒いのが警報発報装置。
ドアホンにも対応するコードレス電話機は更に左、
NS受付カウンターにある。
(愛知県知多市 友田クリニック)
夜の面会など外部インターホンで呼ばれたナースは、 NSのモニターTVを見て来訪者をチェックし、セキュリティシステムを解除、玄関ドアの電気錠を開錠して院内に入ってもらう。
帰りはエレベーターホールや玄関内側をモニターで見て退出を確認、 セキュリティを設定、ドアロックする。
セキュリティシステムの設定・解除は職員出入り口にメインの装置があり、 NS内にはサブを用意している。
玄関まわりのチェック以外には、以下のような使い方を提案している。
◎ 新生児室の様子を、分娩室で。病変や盗難に備えて死角なく。
◎ 分娩室、LDR、回復室の様子を、NS、診察室、院長室、当直室で。
◎ 待合室の様子を、診察室で。
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