|   いきなり大きなテーマ。この数年、大手レセコンメーカー、ソフト業者、Dr個人の開発によるもの、
 などが雨後のたけのこのように乱立しているが、低価格で信頼性の高いものはまだまだ。
 電子カルテは単に電子的に記録されたカルテという意味に留まらず、
 院内全体をカバーする大きなシステムとなって偉力を発揮する。
 
 
  
 できることはまだまだありそうだが、
 これらを網羅したシステムと なると自己開発するしかない状況ではある。
 <メリットは>・ミスが減る。禁忌情報の入力により、投薬オーダーなどの際、警告を受けられる。
 バーコードつきのブレスレットを装着しても   らうことで、患者やベビーを取り違える事故も無くなる。
 ・業務の質的向上が期待できる。医療情報や患者の履歴の検   索はコンピュータの最も得意とする所。
 また、看護についてもノートパソコンをベッドサイドに持ち込むことで、正確に早く記録業務がなされ、
 本来の看護業務に割く時間が増える。
 ・インフォームドコンセントが得られやすい。
 画像やグラフなどが使いやすく、患者に対する説明や教育が容易となる。
 ・経営コストの削減。不良在庫が減る。また、経営分析が容易となり問題点を発見しやすい。
 ・診療記録や検査結果の保管場所が節約できる。
 X線や超音波の画像も電子的保存が容易となり、フィルムへの撮影自体不要となる。
 
 <問題は>
 ・高コスト。院内各部を広くカバーするシステムとなると、
 最低でも数百万円。満足の行くものは億単位が必要。
 ・院内各部のシステムの変更や新規導入は、相当強力なプロモ   ーターがいなければ成り立ちがたい。
 また看護、検査、薬剤、給食、受付、会計事務、用度といった、院内各部のIT化に対する意識レベルを
 揃えて行く必要がある。医師一人で立ち向かうのには限界がありそう。
 ・現状では医師がキーボードをたたくのに忙しく、患者とのコミ ュニケーションをとっておれない状況も
 想像に難くない。
 メディカルセクレタリーを置く費用はもちろん保健でカバーされないが、一番現実的である。
 基本的な書式を選択できるようにする、検査結果の報告はそのまま取り込めるようにする、
 などの方法で、入力簡略化の手立てが必要となる。
 私見では、よほどの興味と強い意思がない限り、院内全体を広くカバーするような電子カルテシステム導入は、時期尚早。
 外来予約とか、診断支援、看護記録、など個別の目的のためのシステムを導入しつつ、
 将来的にリンクさせ、徐々にトータルなものに進化させていく手法が現実的と思われる。
 参考文献: 医学芸術社 「電子カルテ導入実践ガイド」
 
  
 外来予約システムには、電話のプッシュ回線を使うものと、インターネットを使うものとがある。インターネットを使うものは最先端ではあるが、最大の問題点は、安全性。患者の個人情報が
 ごっそり流出する危険がある。
 この点電話回線による方法は安心できる。メリットは外来待ち時間の短縮。
 これにより診療圏の拡大、駐車場の縮小、ゆったりした待合室、スタッフ労務の軽減といった
 更なるメリットが発生している。
 例 : NTT-ME 「 Dr.うける君U」
 
  
  待合でインターネットを使い放題にしている例もある。 
 ディズニーや手塚治虫のホームページを子供達が食い入るように見ている。
 簡単なガイドで初めに親が手伝えば、あとは子供が勝手に遊んでいる。
 
 (右写真:名古屋市・若葉台クリニックの例)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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